
MoveLabインストラクターの安原望です。
皆さんからよく聞かれる「体幹とは具体的にどこを指しますか?」というご質問にお答えしたいと思います!
ピラティスやトレーニングの話でよく耳にする「体幹」ですが、意外と「どこからどこまで?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
解剖学から見た「体幹」の定義
「体幹」とは、体の中心にある“柱”のことで、私たちの体を支える土台であり、すべての動きの起点となる部分です。
解剖学において、「体幹(Trunk)」は、人体の頭部と四肢(腕と脚)を除いた胴体の部分全体を指します。
これは、「体幹部」として、以下の主要な部位に分けられます。
- 胸部(Thorax): 胸郭(肋骨や胸骨)によって形成される部分で、心臓や肺といった生命維持に不可欠な臓器を保護しています。
- 腹部(Abdomen): 胸部の下から骨盤までの部分で、消化器系(胃、腸、肝臓など)の臓器を収容しています。
- 背部(Back): 首の下から腰までの、背骨(脊柱)を中心とした部分です。
- 骨盤部(Pelvis): 骨盤によって形成される部分で、膀胱や生殖器などの臓器を保護し、上半身と下半身をつなぐ役割を果たします。
「体幹」と「コア(core)」の違い

一般的なフィットネスやピラティスの文脈で使われる「コア(Core)」は、解剖学的な「体幹」よりも、さらに狭い範囲を指すことが多いです。
「コア」は、「コアスタビリティ(体幹の安定性)」を担う、体の中心にある深層筋群を指します。これらは、内側のインナーマッスル群と外側の体幹筋群に分けられ、以下のような主要な筋肉が含まれます。
👑インナーマッスル(コアユニット):
- 横隔膜: 体幹の天井。呼吸を司り、腹圧を高めます。
- 腹横筋: 体幹の前壁。天然のコルセットとして腹部を締め、安定させます。
- 多裂筋: 体幹の後壁。背骨の一つひとつを安定させます。
- 骨盤底筋群: 体幹の床。骨盤内の臓器を支え、下部を安定させます。
これらの筋肉が協調して働くことで、腹腔内圧(腹圧)が高まり、背骨や骨盤が安定し、手足の動きが効率的になります。
なぜ「体幹」が大切なの?

体幹が弱いと、私たちの体には様々な不調が現れます。
例えば、
- 腰痛や肩こり: 体幹が不安定だと、手足の動きを補おうと肩や腰に余計な力が入ってしまい、痛みの原因になります。
- 姿勢の崩れ: 猫背や反り腰になりやすく、見た目の美しさを損ないます。
- 運動能力の低下: 効率よく体を動かすことができず、疲れやすくなったり、運動パフォーマンスが低下したりします。
ピラティスでは、これらの体幹の筋肉を意識的に使って鍛えることで、根本から体の不調を改善し、美しく、機能的な体を目指します。
ピラティスで体幹を意識するってどういうこと?

ピラティスのレッスンでは、「おへそを背骨に近づけるように…」「骨盤を安定させて…」といった声かけをよくします。これは、まさに体幹の筋肉に意識を向けている証拠です。
最初は難しく感じるかもしれませんが、正しい呼吸と動きを繰り返すことで、自然と体幹を意識できるようになります。
体幹を鍛えることは、単なるトレーニングではなく、日々の生活を快適にするための投資です。
また何か気になることがあれば、ムーブラボの安原まで、いつでもお気軽にご質問くださいね。