
その「痩せにくさ」、気のせいではありません
ダイエットに真剣に取り組んでいるのに、なかなか結果が出ない。食事を見直し、運動もしているのに、なぜか思うように体重が減らない。そんな時、「もしかして私は痩せにくい体質なのでは?」と感じるのはごく自然なことです。多くの方が抱えるこの深い悩みは、決して気のせいではありません。そこには、一人ひとりの身体に備わった個性や、日々の生活、そして年齢と共に変化する複雑な要因が深く関わっています。このブログでは、その「痩せにくさ」の正体を、科学的な視点から一緒に解き明かしていきます。そして、その特性を理解した上で、ご自身の体質別にやるべき事を解説していきます。
科学が解き明かす「痩せにくい」と感じる体質の正体
ダイエットの成功は、単なる「頑張り」だけでは決まりません。むしろ、個人の体質や体のリズムをどれだけ理解しているかが鍵となります。ここでは、お客様が抱える「痩せにくさ」の背後にある、複数の科学的要因を深く掘り下げて解説します。遺伝子、ホルモン、生活習慣といった多角的な視点から、あなたの痩せにくい原因を解説していきます。
遺伝子がもたらす「体質の傾向」
肥満の要因は、遺伝的要素が約3割、生活習慣や環境的要因が約7割と考えられています 。これは、生まれ持った遺伝子が、あなたの「太りやすさ」を決定づけるものではなく、むしろ「太りやすい傾向」というヒントを与えてくれる羅針盤のようなものであることを意味します。この傾向を理解することで、自分に合った最適なアプローチが見つかります 。特に、何度ダイエットに失敗してもリバウンドを繰り返してしまうという方は、ご自身の遺伝的傾向を知ることが、無駄な試行錯誤をなくし、効率的な計画を立てるための強力な道しるべとなります 。
肥満に関連する遺伝子の研究は進んでおり、いくつかのタイプに分類されることがわかっています。
りんご型:β3-アドレナリン受容体(β3-AR)
β3-アドレナリン受容体(β3-AR)遺伝子に変異があるタイプです。この遺伝子は、脂肪の分解や燃焼、エネルギー代謝に関わっています 。変異があると内臓脂肪が蓄積されやすく、ウエスト周りから太る傾向があります 。日本人の約34%にこの変異が存在し、糖質の代謝が苦手なため、糖質の過剰摂取がお腹周りの脂肪増加につながりやすいとされています 。
洋なし型:脱共役タンパク質1(UCP1)遺伝子
脱共役タンパク質1(UCP1)遺伝子に変異があるタイプです。この遺伝子は、褐色脂肪細胞における熱産生に関与しており、変異があると皮下脂肪を燃焼させる効率が低くなるため、下半身太りしやすい傾向があります 。脂質代謝が苦手で、脂質の過剰摂取が太る原因となりやすいとされています 。日本人の約16%にこの変異が存在し、基礎代謝も低い傾向があります 。
バナナ型:β2-アドレナリン受容体(β2-AR)遺伝子
β2-アドレナリン受容体(β2-AR)遺伝子に変異があるタイプです。この遺伝子は、アドレナリンの受容に関わり、脂肪の分解や燃焼に影響を与えます 。このタイプはタンパク質をエネルギーとして消費しやすく、筋肉がつきにくい傾向があります 。元々痩せている人が多いですが、一度太りだすと痩せにくいという特徴も持っています 。日本人の約16%にこの変異が存在します 。
このように、遺伝子変異のタイプによって、脂肪のつきやすい部位や、太りやすい栄養素に違いがあることがわかっています。例えば、UCP1遺伝子に変異がある「洋なし型」の方は、脂質代謝が悪いため、自己流で過度な食事制限や運動を行っても、脂質摂取の管理が不十分であれば、なかなか結果が出ずに挫折してしまう可能性があります 。これは、間違ったアプローチがネガティブな結果を招き、ダイエットへのモチベーションを失わせるという負の連鎖を生むことにつながります 。この連鎖を断ち切るには、まず自分の体質を知り、その情報をもとに最適な方法を選ぶことが非常に有効です。
以下の表に、各遺伝子タイプの特徴と対策をまとめました。
遺伝子タイプ名 | 太り方の傾向 | 代謝の特徴 | お勧めの食事 | お勧めの運動 |
りんご型 | 内臓脂肪がつきやすく、ウエスト周りから太る | 糖質代謝が苦手 | 糖質を控える | 有酸素運動(ウォーキングなど) |
洋なし型 | 皮下脂肪がつきやすく、下半身太りする | 脂質代謝が苦手 | 脂質を控える | 脂肪燃焼を促す運動 |
バナナ型 | 筋肉がつきにくく、一度太ると痩せにくい | タンパク質をエネルギーとして消費しやすい | タンパク質をしっかり摂る | 筋力トレーニング |
女性の体に特有のホルモンと代謝の変動
女性の体は、ホルモンの働きによって非常に繊細にコントロールされています。このホルモンバランスの変動こそが、多くの女性が感じる「痩せにくさ」の大きな要因となり得ます。自身の体のリズムを理解することで、焦りや自己否定から解放され、賢くダイエットに取り組むことが可能になります 。
生理周期とダイエット
女性の体は、月の約1ヶ月の間にホルモンバランスが大きく変動します。特に生理前は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増加する時期です 。このホルモンは、妊娠に備えて水分や栄養素を体に溜め込む働きがあるため、むくみや便秘を引き起こし、一時的に体重が最大2kgも増加することがあります 。また、食欲を増進させたり、倦怠感を感じやすくなるため、この時期に無理なダイエットを行うのは不向きです 。
一方で、生理後は卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が増え、心身ともに安定します。エストロゲンには脂肪の燃焼を促す作用もあり、この時期は代謝が向上するため、ダイエットに最適な期間と言えます 。
更年期とホルモンバランス
40代半ば以降に迎える更年期は、卵巣機能の低下に伴い、エストロゲンの分泌量が急激に減少します 。エストロゲンには、脂質代謝を調整し、筋肉を維持し、食欲を抑えるといった重要な働きがあります 。そのため、エストロゲンが減少すると基礎代謝が低下し、脂肪、特に内臓脂肪が蓄積しやすくなり、体型が「りんご型」へとシフトしていく傾向が見られます 。
さらに、エストロゲンの減少は自律神経の乱れを引き起こし、イライラや情緒の不安定さを招くことがあります 。これが過食につながり、体重が増加するという負のスパイラルを形成してしまうのです 。
以下の表は、生理周期に合わせた賢いダイエット戦略を示しています。
生理周期 | 優位なホルモン | 体の状態 | 推奨される運動・食事のヒント |
生理後 | エストロゲン | 心身ともに安定し、代謝が向上。ダイエットに最適な時期。 | 積極的に運動や食事制限に取り組む |
排卵後 | プロゲステロン | むくみやすく、便秘が起こりやすい。体が栄養を吸収しようとする時期。 | 現状維持を意識し、マッサージなどでむくみ解消を促す |
生理前 | プロゲステロン | むくみ、食欲増進、倦怠感など。一時的に体重が増加しやすい。 | 無理なダイエットは避ける。ドカ食いを避け、休息を大切にする |
見過ごされがちな、生活習慣と体質への影響
痩せにくい体質は、生まれ持ったものだけでなく、日々の見過ごされがちな習慣によっても作られます。
基礎代謝の低下:
基礎代謝は、呼吸や体温維持など生命活動のために最低限必要なエネルギーのことで、10代をピークに年齢と共に自然と低下していきます 。基礎代謝の低下の主な原因は筋肉量の減少にあります 。筋肉は脂肪よりも多くのエネルギーを消費するため、筋肉量が少ないと太りやすい体質になります。
ストレスとコルチゾール:
慢性的なストレスは、副腎皮質ホルモンの一種であるコルチゾールを分泌させます 。コルチゾールは血糖値を上昇させ、食欲を増進させるだけでなく、筋肉の分解を促すため、太りやすい体質へと導きます 。また、コルチゾールが過剰に分泌されると、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が抑制され、気分の不安定さにつながる可能性も指摘されています 。
睡眠不足
睡眠はホルモンバランスや代謝に大きな影響を与えます 。睡眠不足は食欲増進につながるホルモン「グレリン」の分泌を増やし、食欲を抑えるホルモン「レプチン」を減らすため、太りやすくなります 。また、規則正しい生活リズムの乱れは、代謝を低下させ、痩せにくい体につながります 。
インスリン抵抗性
インスリンは血糖値を下げるホルモンですが、この働きが鈍ると、余剰なエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります 。インスリン抵抗性はウエスト周りに脂肪がつきやすい傾向と関連しており、運動によって改善されることが示されています 。
「痩せにくい体質」を「痩せやすい体質」に変える3つの鍵
ご自身の「痩せにくさ」の正体を理解した上で、次に知っていただきたいのは、その体質をどう変えていくかという具体的な解決策です。ムーブラボでは、単なる運動や食事指導ではない、お客様一人ひとりの体に寄り添ったホリスティックなアプローチをご提案しております。
🔑1:科学に基づいた「自分だけの」プランニング
多くのダイエットが挫折する理由の一つに、自分に合わない方法を試していることが挙げられます 。成功への第一歩は、「他人と比べず、自分の体と向き合うこと」です。
体重の数字にこだわらない:
体重が減っていなくても、体脂肪が減って筋肉量が増えている場合があります 。筋肉は脂肪よりも重いため、見た目が引き締まっていても体重に大きな変化が見られないことがあるのです 。成功を実感するためには、体重だけでなく、体脂肪率や骨格筋量、周径値などの見た目の変化に注目し、日々の小さな成功を大切にすることが重要です 。 ムーブラボではInbodyで体の中の筋肉量と体脂肪量を正確に把握しながら体作りを行います。
遺伝子を活かす:
肥満遺伝子検査は、ご自身の体質に合った最適なダイエット方法を見つける手助けとなります 。たとえば、皮下脂肪がつきやすい方は脂質の摂りすぎが原因の可能性があるため、下半身の筋力トレーニングと脂質制限を中心としたアプローチが有効です 。遺伝子検査は一生変わらない情報を提供してくれるため、一度検査するだけで、無駄な試行錯誤をなくし、最も効率的な食事や運動方法を導き出すことができます 。 ムーブラボではご希望者に遺伝子検査(26,000円税別)を実施しております。


パーソナルな食事指導:
ダイエットの基本は、「摂取カロリー<消費カロリー」のバランスを保つことです 。しかし、無理な食事制限は長続きしません。ムーブラボでは、お客様の生活習慣や好みに合わせて、外食やコンビニでも取り入れられる持続可能な食事管理方法を提案します 。トレーニング日以外でもLINEで相談できる体制を整えることで、小さな疑問や不安にも寄り添い、モチベーションの維持をサポートします 。
🔑2:筋肉と心身のバランスを整える
痩せやすい体質を作る上で、筋肉は不可欠な要素です 。しかし、それは単に見た目を大きくする筋力トレーニングだけではありません。
ピラティスと筋肉:
ピラティスは、身体の奥にある「インナーマッスル」を鍛えることに特化したエクササイズです 。インナーマッスルが強化されると、筋肉量が増加し、基礎代謝が向上します 。基礎代謝が高まると、日常生活でのエネルギー消費が増え、自然と痩せやすく太りにくい体へと変わります 。また、インナーマッスルを鍛えることで、ウエスト周りの引き締めなど、「部分痩せ」の効果も期待できます 。正しい姿勢を保つ筋肉がつくことで、見た目の印象もスリムになります 。
ピラティスと心身の調和:
ピラティスの大きな特徴である深い呼吸は、自律神経を整えるのに非常に効果的です 。深い呼吸を意識することで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、心身の緊張が和らぎます 。自律神経とホルモンは密接に関係しているため 、自律神経が整うと、女性ホルモンも自然と安定すると考えられます 。この効果は、更年期による心身の不調や、ストレスによるイライラの緩和にもつながります 。さらに、ピラティスは「幸せホルモン」セロトニンの分泌を促し、気分を安定させる効果も期待できます 。
🔑3:あなたの継続を支える「二人三脚のパートナー」
知識があっても、一人で目標に向かって走り続けることは困難なものです。パーソナルジムの真の価値は、その「継続」を可能にする、専門家による手厚いサポートにあります。
モチベーションの維持:
ダイエットの成功には、モチベーションの維持が不可欠です 。パーソナルトレーナーがお客様と二人三脚で伴走し、小さな変化を褒め、具体的な目標を共有することで、挫折しそうな時も乗り越えられます 。一人だと今の方法が合っているかどうか自信が持てなかったり 、続ける時に迷いや諦めが出そうな時も励ましてくれるトレーナーの存在があなたのモチベーションを支えてくれます。
怪我のリスク低減と効率化:
自己流の無理なトレーニングは、怪我につながり、かえって遠回りになる可能性があります 。専門家による正しいフォームの指導は、狙った筋肉に的確に刺激を与え、効果を最大化すると同時に、怪我のリスクを格段に減らします。また、個人の体力やレベルに合わせたメニューにより、短時間で効率的にトレーニングを進めることができます 。
お客様の声:
これまでに多くのお客様が、ムーブラボでのパーソナル指導を通じて変化を実感されています。「食べていたのに停滞せずに痩せられた」「辛い時にトレーナーが優しく励ましてくれたのおかげで乗り越えられた」「年齢に不安があった私でも無理なく続けられるトレーニングを組んでもらえ、膝や腰の調子も改善した」といった声は、精神的、身体的な変化が密接に関わっていることを物語っています 。
ムーブラボのピラティスがもたらす「体質改善」
ピラティスとムーブラボのパーソナル指導は、これまでに述べた「痩せにくい体質」の問題を解決するための具体的なアプローチを提供します。
ピラティスで「土台から」体を変える
ピラティスは、単にカロリーを消費する運動ではありません。体の根本から見直し、痩せやすい土台を作ることを目的としています。インナーマッスル、特に腹横筋を鍛えることで、気になるウエスト周りの「部分痩せ」に効果が期待できます 。また、継続することで筋肉量が増加し、基礎代謝が向上するため、日常生活での消費エネルギーが増えます。これは、一時的な減量だけでなく、ダイエット後のリバウンドを防ぐ上でも非常に重要です 。さらに、正しく筋肉をつけることで姿勢が改善され、見た目の印象がより引き締まったものに変わります 。
パーソナルジムだからできる、あなただけのプラン
ムーブラボでは、お客様一人ひとりの身体の個性や課題に合わせたオーダーメイドのメニューを作成します。
遺伝子検査の活用:
ご希望のお客様には、遺伝子検査を行い、その結果を基に最適なトレーニングや食事指導を行います 。たとえば、下半身の脂肪が気になる方には、大腿筋などの大きな筋肉を鍛えるワイドスクワットなどのメニューを重点的に組み込み、効率的な体づくりをサポートします 。
専門家による指導:
運動が苦手な方や体力に自信がない方でも、怪我のリスクを抑え、無理なく続けられるよう、最適なメニューを提案します 。個別の指導により、正しいフォームと呼吸法を身につけることができ、ピラティスの効果を最大限に引き出します 。
成功事例の紹介
「3ヶ月で体重5kg減、体脂肪率4%減、洋服のサイズが1サイズダウン」 、「6か月かけて体重15kg減、体脂肪率8.8%減、ウエスト12.0cm減」 といった具体的な成功事例が示すように、ピラティスは着実に体を変えていく力を秘めています。
まとめ:あなたの体質は、変えられます。
「痩せにくい体質」は、遺伝やホルモンバランス、日々の習慣など、様々な要因が複雑に絡み合って生まれるものです。しかし、それは決して一生変わらないものではありません。その正体を理解し、ご自身の体の個性に合わせたアプローチを見つけることで、誰でも「痩せやすい体質」へと変えることが可能です。
一人で悩まず、私たち専門家の力を頼ってください。ムーブラボの無料カウンセリングや体験レッスンでは、あなたの体質や目標を丁寧にヒアリングし、理想の未来へ向けた「あなただけの道筋」を提示します。
あなたの体と心に寄り添い、一緒に目標を達成するパートナーとして、ムーブラボはあなたの挑戦を全力でサポートします。